肘を先行するようにスイングする、その意味について

グラウンドストロークやサービスのフォームで、「肘を先行するように」という言葉をよく聞きます。スイング中に肘を先行しようとするあまり、ボディーターンとの連携を損なったフォームも多く見かけます。実際に肘をどのように使っていけば良いのか、ここで考えてみましょう。

今回の説明で使用しているイラスト、CGはテキストVol5「オープンスタンスからのフォアハンドストローク徹底解説」で解析を行ったフェデラーのオープンスタンスからのフォアハンドストロークですのデータから再現しています。

肘を先行して・・・と考えると図の赤いラインの腕の形を想像するかもしれません。しかし人間の関節の構造上このようなフォームを実現することは大変困難です。上腕の外旋範囲を越えて過外旋の状態にする必要があるからです。サーブの動作ではこの過外旋の状態がフォワードスイングの初期のほんの一瞬に現れますが、それは決して長くはありません。フェデラーの解析結果ではフォワードスイングの間は上腕は外旋の状態であることが分かります。これはオープンスタンスからのフォアハンドストロークでもニュートラルスタンスからのフォアハンドストロークでも変わることはありません。

フォワードスイングの一連の動作を見ていきましょう。ここで注目したいのが両肩の延長線(青線)に対する肘の位置です。肘は両肩の延長線上から大きく離れることはありません。むしろこの距離を保ったままインパクトまで動作しているようにも見えます。肘を背中側にいっぱいに引いたまま上体のボディーターンを行うことで、腕は肩関節の後ろから押されるようにして前に動かされます。これは肩甲骨が上腕骨をそれ以上(背中側に)動くことを規制しているからです。ボディーターンの力を上腕囲伝えるためのベストな関節ポジションだと言えるのです。

もし腕を前に振ることだけ考えて肘を先に出してしまうとどうなるでしょう。肘の位置は両肩の延長線上から離れてしまいます。これではボディーターンの力を上腕骨にそのまま伝えることが出来ません。肘を先行するようにしてスイングしたときにボディーターンンとの連携の悪いフォームを見かけるのはこのような様子になっているからです。

肘を先行するようにスイングする、これはボディーターンと一体となった動作が不可欠と言えるでしょう。このフォームを用いることは、さらに上腕の外旋から内旋への動きによってラケットヘッドを一気に加速することができるというメリットも生まれるのです。

次にインパクト前後の上腕の旋回動作について詳しくみて行きましょう。


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