Category: 上達コラム

5月 13th, 2016 by admin

「トップスピンをかけているつもりなのですが、どうしてもアンダースピンになってしまいます」
「下から上にスイングしているのにトップスピンがかかりません」

このような質問を頂戴することは決して少なくありません。ラケットを下から上にスイングすればトップスピンがかかると説明される場合が多いのですが、決してそうではありません。
ボールをラケット面(ガットの上で)で転がすまたは擦ることでボールに回転を掛けるように思いがちですが、実際はそうではないようです。ボールとラケットの接触時間がとても短いことからそう考えることができます。

野球のバットでボールを打った時にも打球したボールに回転がかかることがあります。この時にボールをバットで転がしたり擦るようにスイングすることはありません。ボールの中心に対してやや上側にバットが入るとトップスピンになり、逆にやや下側に入るとアンダースピンになるのです。これはテニスも同じと考えることができます。

テニスラケットがボールの中心に対して上側に入る時、これはラケットフェイスが伏せ気味になります。この状態でボールとラケットが接触すれば、打球の回転はトップスピンになります。同時に打球方向が下向きになります。この時の打球方向を補正するためにスイング軌道をやや上向きに取ることになります。ボールを擦るような大げさな上向きのスイング軌道は必要ありません。
アンダースピン(スライス回転)は反対になります。ボール中心に対してやや下側にラケットを入れます。ラケットフェイスがやや開き気味になります。ボールが高く浮きやすくなるので補正するためにスイング軌道を調整します。ボールを打球方向に押すようなスイング動作はラケットフェイスが開きすぎてしまいます。ラケットフェイスの角度ができるだけ変化しないようにスイングする体の使い方が必要になります。

この原理で考えれば、ボールへサイドスピンを与える打ち方も可能であることがわかるはずです。

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4月 4th, 2016 by admin

マイアミオープン決勝戦で錦織選手はジョコビッチと対戦。3-6、3-6で完敗。

以前から弱点と言われていたサーブ力の不足は、肝心な場面でのダブルフォルトでも現れた。

サーブ力の向上は体の使い方次第であるが、錦織選手にはまだ合理的とも言えない体の使い方が見受けられる。ストローク力についてはここ数年のフォーム改善によって劇的に強化されているのは、ランキングが証明している通りだ。サーブ力の向上は今後望めるのだろうか。それは彼のサーブの体の使い方について真正面から見直す機会があるかどうかにかかっているのだろう。

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2月 21st, 2016 by admin

かつては打球方向に踏み込んで打てとばかり教わった。その教えを守って、ラリーを続けるとポジションがいつの間にかコートの中に中にと入っていく。
気づけば足元にバウンドする深いボールに対応できずにミスをしてしまう。打ったら下がるというフットワークに気づくのはずっと後だった。

そうこうしている時にオーストラリアにテニスのトレーニングを受ける機会があった。
そこで教わったのが踏み込まない打ち方だ。踏み込んでうとうとすると、駄目出しをされたくらいだ。それまでのテニスの指導を受けてきたことを真っ向から否定されたのだが、おかげで非合理性に気づくことにもなったのだ。
踏み込まないで打つ、つまりオープンスタンスを使ってフォアハンドストロークを打つことだ。
軸足は右足になり、右足を中心として体を回す。するとラケットは打球方向にスムーズに動きながら、状態は打球方向とは反対にベースライン後方に動く。軸足は右足のままなので、ポジションは変わらない。でもラケットと上半身の回転がスムーズになるので打球の威力は踏み込んで売っていた時よりも格段に良くなる。なんて合理的な打ち方なのだろうか。そして体の使い方も実に合理的であることに気づいたのである。

日本に戻って、相変わらずの指導を受けるのが辛くなる。前に踏み込んで打たなければコーチからの駄目出しをもらう。それでもたまにオープンスタンスでいいボールを打てば、コーチも見て見ぬ振りをする。結果さえ良ければ、文句はいいようがないのだろう。それじゃ、踏み込んで打てってしつこく言い続けた指導は一体何だったんだ?

そしてテニス協会の指導者向けセミナーに参加する機会があったが、指導法については相変わらずの前に踏み込んで打てといった、私の目からは非合理的なものばかり。テニス指導の根本の違いに苦慮したこと。二度と協会の門をくぐることはないだろう。

何を信じるかは人それぞれあるのは、重々承知している。そしてそれを曲げてまで押し付けることはしたくない。私のテニス理論に理解をしていただけるとしたら、惜しみなく全てを教えたい。

この気持ちが伝わって、ジュニア選手、テニス指導者が遠くから来ていたけるのは本当に嬉しいことです。日本のテニスがもっともっと盛り上がることに役立てることができれば嬉しいことです。

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11月 30th, 2015 by admin

スポーツバラエティー番組で、テニスの指導で短期間に上達するというものが、たまに放送されている。対象が芸能人であったり、ジュニア選手であったりその時々で変わっても、最初は出来なかったことに対する屈辱を選手は感じ、そこから根性で厳しい特訓に耐え、番組の最後には見事に目標をクリアするのはほぼ一緒だろう。

番組の構成上、生徒は必ず上達しなければならない、いや上達しているように見せなくてはならない。収録の短期間にそんなに簡単にいくはずがない。でもやり方によってはそう見せることも簡単だ。

初めは難しいことをやらせるのだ。最後の試験は簡単なことをさせると、いとも簡単にクリアすることができる。そしてこの成功は厳しい特訓の成果だということになるのだ。例えば最初のテストは思いっきり深いボールを球出ししてみよう。大抵はタイミングが合わずに、球威に押されて満足に返球することができない。最終テストでは、少し浅めのボールをゆっくりのスピードで球出しすれば、ステップインする時間も余裕で作れ、返球することが可能になる。
番組の作り手側の工夫ということだろう。

実際のテニス指導の現場とは逆のプロセスだということに気づく。テニス指導では簡単なレベルから、徐々にステップアップして難しいことを行う。これは一回のレッスンの枠の中でも同じだ。ステップアプしていく到達点は、その日の選手のレベルや、目標設定によっても変わる。一見すると同じ内容をいつもやっているように見えても、実はその内容は日々変化させているのだ。

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11月 30th, 2015 by admin

錦織圭選手の活躍のおかげで、テニスのトップ選手の大会をテレビで見る機会が増えたことはとても喜ばしいことです。多くの人のテニスに興味を持つ、きっかけになるといいですね。

先日、仕事で某テレビ局に打ち合わせで訪問しました。打ち合わせ後に局内を案内していただきながら、世界最先端とも言える放送機器、スタジオ、中継設備、編集設備など、目にするもの全てに驚き感動しました。ここから海外のテニスの試合が中継され日本全国に発信されていると思うとゾクゾクします。

ご担当いただいた方から、「ここにある全ての機器は全て皆様からの受信料を使って揃えたものですので、全てを見ていってください」と言われた言葉がとても印象的でした。局内のあちこちを丁寧に時間をかけてご説明いただき、本当にありがとうございました。
地域住民のお金で機能している各役所の対応もこれほど丁寧だろうか?かつては”つっけんどん”が代名詞でもあった役所の対応も今はずいぶん良くなったことでしょうか。私の住む地域の役場の皆さんの対応は本当に丁寧です。

自分のテニス指導はどうだろう。
「全てを見ていってください、私の持っているもの全てを惜しみなく教えます」
この姿勢は今でも貫き通せているだろうか。

かつてあるアカデミーで経験したこと、全てを教えると顧客は満足してもう来なくなってしまう。また来てもらえるように、感動を与えながらでも全ては教えないようにする。確かに経営上はこれが正解なのだろう。一度の滞在で全てが解決してしまうと、次に訪れる機会はずっと減る。むしろ教えベタの方が良いのかもしれない?またアカデミーに来てもらえる機会が期待できるからかもしれない。

テニス愛好家の立場に立てば、指導の出し惜しみはして欲しくないもの。時間の許す限り上達のエッセンスを全て出し切る、私はこの姿勢を続けるつもりだ。
経営ベタと言われようとも。

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11月 23rd, 2015 by admin

速く走るためには、足を力強く動かすと同時に腕を大きく振るようにと指導される。足の動作で動かされる上半身を腕を振ることで打ち消し姿勢を安定させるためだ。だから左足を前に出す時には右腕を前に、右足を前に出す時は左腕を前に動かすのだ。

テニスの指導の現場ではなぜか両足をしっかりと地面につけ、そして踏ん張ってラケットを振るようにと指導されることが多いようだ。上半身だけでラケットをスイングしようとすればその反動は下半身に伝わり、姿勢を崩してしまいがちになる。姿勢が崩れないように、両足を踏ん張れということだろうか。
両足を動かしながら打球することはいけないことだろうか?足が地面から離れて、そして踏ん張ることなくラケットをスイングすることはいけないことだろうか。
トップ選手のフォームを見れば決して両足を踏ん張ってダキュしているようには見えない。幾つもの疑問が湧き出てくるのだ。

速く走る時は両腕を思いっきり動かすように、ラケットを振ってボールを力強く打つ時には、両足を大きく動かしても良いのではないだろうか。そんな疑問がテニスのフットワークの原点でもあるのだ。

フットワークと言ってもただ闇雲に動かすのではない。きちんとしたメカニズムの上で合理的な足の動かし方があるのだ。うわべだけのフットワークで惑わされてはいないか。理論的に確かなフットワークメソッドで学んで、かつてないテニス上達を実感してほしい。

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11月 15th, 2015 by admin

テニスや他のスポーツにおいて、プロ選手のフォームを真似ようとしてもなかなか思うように真似ができない。多くの人が悩んだことがあると思います。指導者はそれを練習不足のせいだというかもしれません。ロボットPepperを扱い、いろいろな動作を習熟させるうちに、フォームの再現が難しいのは練習不足ではないということに改めて認識します。

ロボットに一つの動作をさせようとした時に必ず起こるのが、目的動作以外に他の部位が動いてしまうことです。例えば腕を大きく動かせば、それによって体全体が大きく揺れてしまいます。簡単に言えば、腕の動きの反動が起きてそれが体の揺れにつながっていくということなのです。

テニスのフォームで軸が傾いたり、曲がったり、バランスを欠いてしまうことがあるとしましょう。指導者はこれをみて体幹が弱いから体幹トレーンングが必要だとおそらく言うでしょう。バランスボールを持ち出したり、腹筋背筋を鍛えるあらゆるエクササイズを紹介します。基礎的な体力として体幹の力を高めるのはとても良いことですが、それだけでは軸の傾きといった悩みが解消されることはありません。もともとの体の使い方が間違っていてはいくら体幹を強化したところで、その反動によって動かされる体幹の動きが抑制されることはないからです。

フォームを安定させるために、トップ選手のフォームを再現するには、体の使い方を正しく学ぶ必要が不可欠なのです。
ロボットPepperと接することでこの考えがさらに強まります。

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11月 12th, 2015 by admin

ロボットPepperに動きを覚え込ませていると、意外なことに気づきます。

ボールを投げるような動作をさせようと腕の振りを使うだけなのですが、それによってPepperの体全体が大きく揺れてしまうのです。上半身の動きによる反動が下半身にも伝わり、それが大きな揺れを招いているのです。考えてみれば容易に想像できることなのですが、実際に行った時に現れる揺れの大きさにはその想像を超えたものがありました。

今回のロボットPepperに限ったことではなく、実際の人間にも同じことが言えるはずです。しかし人間はうまくしたもので無意識のうちに下半身が上半身の動きをキャンセルするように動いているから、Pepperのように大きく揺れることなく腕を振る動作ができるのでしょう。腰を動かす力を使って投げる動作につなげることが効率的な動きになるのでしょうか。このことは足を使って腰を動かすとも言えるでしょう。これもロボットPepperを使って実験してみることにしたいと思っています。

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