テレビ番組のテニス企画から見るテニス指導の現場

スポーツバラエティー番組で、テニスの指導で短期間に上達するというものが、たまに放送されている。対象が芸能人であったり、ジュニア選手であったりその時々で変わっても、最初は出来なかったことに対する屈辱を選手は感じ、そこから根性で厳しい特訓に耐え、番組の最後には見事に目標をクリアするのはほぼ一緒だろう。

番組の構成上、生徒は必ず上達しなければならない、いや上達しているように見せなくてはならない。収録の短期間にそんなに簡単にいくはずがない。でもやり方によってはそう見せることも簡単だ。

初めは難しいことをやらせるのだ。最後の試験は簡単なことをさせると、いとも簡単にクリアすることができる。そしてこの成功は厳しい特訓の成果だということになるのだ。例えば最初のテストは思いっきり深いボールを球出ししてみよう。大抵はタイミングが合わずに、球威に押されて満足に返球することができない。最終テストでは、少し浅めのボールをゆっくりのスピードで球出しすれば、ステップインする時間も余裕で作れ、返球することが可能になる。
番組の作り手側の工夫ということだろう。

実際のテニス指導の現場とは逆のプロセスだということに気づく。テニス指導では簡単なレベルから、徐々にステップアップして難しいことを行う。これは一回のレッスンの枠の中でも同じだ。ステップアプしていく到達点は、その日の選手のレベルや、目標設定によっても変わる。一見すると同じ内容をいつもやっているように見えても、実はその内容は日々変化させているのだ。

11月 30th, 2015 by admin